当院では2015年4月より、ハイブリッド型手術室の稼動を開始しました。 ハイブリッド型手術室とは、手術室と懸垂型の血管造影装置を組み合わせたもので、高画質な透視・3D撮影を行うことができる手術室のことをいいます。ハイブリッド手術室には以下のメリットがあります。
1)基本的に手術室ですので、衛生度が高く、感染防止のための配慮が行き届いております。また無影灯をはじめとする手術に必要な照明機器、手術器具を配備し、あらゆる手術に対応可能です。
2)フラットパネルを有する高精度の透視装置を備えており、精細で高度のカテーテル治療が可能です。また大容量であるため、長時間の治療でもオーバーヒートせず、安心です。
3)これらにより、内科的治療と外科手術による治療法とを一つの部屋で行うことができます。手術のみでは到達困難な部位、カテーテルのみでは治療できない病変に対して、両方を同時に行うことにより、小さな創や小さな侵襲で治療が可能となります。当院ではこのハイブリッド手術室を用いたハイブリッド手術を行うことで、患者様により低侵襲で効果的な治療の提供を目指しております。
4)手術室では、常に不測の事態を想定して治療を進めております。ハイブリッド手術室では、人工心肺装置などの最先端装置をスタンバイし、緊急の事態にも迅速に対応できるようにしております。
当科では、以下のような治療を施行中または施行予定です。
1. 胸部・腹部大動脈瘤に対するステントグラフト
2. 経カテーテル的大動脈弁置換手術(TAVI,TAVR)
3. ハイブリッド手術
(ア) ステントグラフト+バイパス
(イ) バルーン拡張術+バイパス
(ウ) 冠動脈バイパス術+カテーテル治療